紙の社内報で「従業員エンゲージメント」を高めよう

社内報担当者の皆さま、こんにちは。

 

近ごろ「従業員エンゲージメント」「社員エンゲージメント」という言葉をよく耳にしますね。人事部門や管理部門の方にとっては、すでにおなじみの言葉だと思います。

エンゲージメント(engagement)は、(会合などの)約束、契約、債務、婚約、婚約期間、雇用、雇用契約、交戦、(歯車などの)かみ合いなど、幅広い意味をもつ英単語です。もともとは「婚約」ですが、「結びつく」ことからくるさまざまな意味に使い分けられています。

従業員エンゲージメントとは?

従業員エンゲージメントの場合は「企業などの組織と従業員の相互信頼関係」を意味します。組織に対して従業員が信頼感や愛着心を持ち、自発的に貢献する意欲がある状態のことです。よく似た概念に「従業員満足度」がありますが「高いモチベーションがあり、自発的に行動し、貢献しようとする」という状態までは想定していないというところが、一番の違いと言えます。

現代は、少子高齢化によって労働生産人口が減少し、個人の働き方や価値観が多様化していることで、終身雇用の考え方が通用しない時代になっています。また、飽和する市場の中で差別化が難しくなり、企業間の競争が激化しています。これからの企業は生き残りをかけて「従業員満足度」だけではなく、一歩進んで「従業員エンゲージメント」を高めることが欠かせません。

 

従業員エンゲージメントを高めるには

従業員エンゲージメントを高めるためには
①企業の理念やミッション・ビジョン・バリューを明確にして、共感を得る
②社員コミュニケーションの活発化などにより、働きやすい環境を整える
③適材適所の推進や権限移譲などで成長の機会を与え、やりがいを創出する

の3つがあげられますが、そのための有効なツールのひとつとして「社内報」があります。

社内報といっても、紙のほかにWEBや動画、グループウェアやSNSなどさまざまな社内報のスタイルがありますので、あなたの会社や特性やニーズ、活用方法にあった社内報の発行を検討してみてください。

じっくりと読んでほしいものは、紙の社内報がベスト!

企業のDX化が待ったなしの現在、WEBやアプリなどのデジタルな社内報を取り入れる組織が増えてきています。お知らせなどの情報はデジタルの方がスピーディーで絶対的に便利ですが、じっくりと読んでほしい会社の大切な理念やトップのメッセージなどの「読み物」については、紙の社内報の方が適しています。

というのも、紙の文字や文章は五感を働かせながら、行間に込められた意味などを想像力を駆使しながら注意深く読む必要があり、その分脳に強く残りやすいからです。例えば、一度パソコン画面で確認した文章を紙に印刷してから改めて読んでみると、誤字脱字がたくさん見つかった…という経験はありませんか。それも、紙の文字を読むときにはより多くの注意力が喚起されるからなのです。

さらに、紙の社内報であれば、紙そのものの手触りや紙面上のレイアウト、文字の書体、イラストや写真などのビジュアルなど、さまざまな要素を駆使し、トップの想いや会社からの重要なメッセージをじっくりと伝えることができます。

そうしたメッセージに対して社員が深く共感を覚えることが、社員同士で価値観を共有し合ったり、考えを深め合ったりすることにつながります。社員同士のコミュニケーションが活発化して、従業員エンゲージメントが高まっていくであろうと期待できます。

 

「何のためにコストをかけて紙の社内報を発行しているのか?」と経営陣から聞かれて、答えに詰まった…という担当者様もいらっしゃることでしょう。そんなときは「会社の理念やトップのメッセージが社員にしっかりと伝わり、それによって従業員エンゲージメントが向上する」ということが紙の社内報のメリットであるとして伝えてみてはいかがでしょうか。

 

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【執筆者】
ディレクター 西田
前職で従業員エンゲージメントを高めるためのプロジェクトに参加していたときは、いかに「心理的安全性を高めるか」が大きな争点となりました。安心して発言できる職場環境をつくるためにも、匿名で意見を発信することができる社内報をぜひ活用してみてください。