“社内向け”が“採用ツール”に。社内報二次利用のすすめ

企業の魅力を自ら発信する「オウンドメディアリクルーティング」が注目を集めています。note、Instagram、X(旧Twitter)などを活用し、リアルな職場の雰囲気や社員の声を届けることで、企業文化への共感から入社につながるケースも少なくありません。

こうした採用広報の流れが広がる中、実は「社内報」もひと工夫することで、立派な採用ツールになることをご存じでしょうか。

“社員向け”だからこそリアルに伝わる

社内報はもともと“社員に向けたもの”。でも、そこで発信される内容は、実は求職者や内定者にとっても価値のある情報がたくさん詰まっています。

たとえば、「新入社員の座談会」や「若手社員の表彰」。現場のリアルな声や葛藤、成長の記録は、“等身大の働く姿”を伝えるうえで、非常に強力なコンテンツです。

部署紹介、仕事紹介、社内イベントのレポートなども、「どんな人が、どんなふうに働いているのか?」を伝えるヒントになります。

スマホ世代にも、親世代にも届く紙媒体

さらに社内報には“紙媒体ならでは”の強みがあります。たとえば、面接時や内定通知のタイミングで配布すれば「こんな会社に入るんだよ」と、ネットに不慣れなご家族にも伝えやすくなります。「手元に残る」「読み返せる」といった点も、デジタルとは違う良さです。

一方で、社内報はあくまで“社内向け”のコミュニケーションツール。経営方針や人事情報、営業戦略などの機密情報、社員の顔写真やプライベートに関わる個人情報などが含まれています。そのため外部に配布する際には、慎重な取り扱いが必要です。

採用広報のコンテンツとして活用する

そこで有効なのが、社内報の記事を採用広報向けにリライト・再編集することです。

たとえば、社内報で掲載した社員インタビューをnote用に書き直したり、イベントレポートを採用説明会のスライドに転用したり。すでにある記事をベースにすれば、ゼロから作るよりも効率的に、リアルな会社の姿を生き生きと伝えることができます。ただし、活用する際には掲載される社員の同意や写真撮影者の許諾を得ることを忘れないでください。

社外向けSNSや採用ページでは“見せたい姿”を意識して編集しがちですが、社内報にはより“素の企業文化”がにじみ出ています。それを採用広報にうまく取り入れることで、求職者たちに強く共感されるメッセージになるのです。

「これは求職者にもぜひ伝えたい」。社内報にはそう思える記事がたくさんあるはずです。だからこそ、有効に二次使用することを検討してみてください。

 

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<執筆者:仲山>

ありとあらゆる情報が一瞬で流れて行ってしまうSNSが、現代の主要な情報源となりつつあります。そんな時代だからこそ、手元に残して何度も何度も読み返せる紙媒体は強いメッセージを脳裏に焼き付けることができると思います。