社内報ご担当者の皆様は、発行後に「振り返り」を行っていますか?
毎月発行、隔月発行など、号と号の制作に間がほとんど空かない場合は、1号を作り終わってもすぐに次の号の制作に取り掛からなくてはいけないため、振り返りの時間を全く持てていないかもしれません。
しかし、振り返りを行わずに黙々と制作を続けていくことは、結果としてマンネリ化につながる恐れがあります。また代わり映えのない誌面や、読んでも分かりにくい記事が続いてしまうと、閲覧率が低下しかねません。振り返りの機会をしっかり取り、定期的に改善を重ねていくことが大切です。ここでは、特に意識すべきポイントをご紹介します。
伝えたいことが伝わる誌面になっているか?
「何を伝えたいのか」というメッセージが誌面から伝わらないと、読者は混乱して途中で読むのをやめてしまうリスクが上がります。出来上がった誌面から「伝えたかったこと」がはっきり伝わるか、という点についてしっかりと振り返りを行いましょう。
たとえば経営層の考えを伝えることが目的だった場合は、実際にそれが伝わりやすい内容にできたか、という観点で見直しましょう。「社長のメッセージは原稿をそのまま載せるだけでなく、より重要な点を抜き出して箇条書きにまとめるともっと分かりやすかった」「今後の売上の目標値を表で示したが、グラフの方がイメージできた」など、デザインやレイアウトに関することを含め、幅広く見直すことが大切です。改善点が見つかれば次回以降に生かしていきましょう。
社員は誌面をどう受け止めているか?
読者である社員の生の声は、制作を振り返る上で欠かせない情報です。制作側とは違った視点の意見を確認し、どのように改善すればよいかの方向性を検討しましょう。
この方向性をつかむためには、定期的に読者アンケートを行うことが効果的です。とはいえ、社員も忙しい中で紙のアンケートに答えることを面倒に感じるかもしれません。負担を減らすために、WEBフォームを用いて、選択肢を中心にしたアンケートにするなど、やり方を工夫しましょう。
アンケートでは、各コーナーについて「毎回読んでいる」「たまに読んでいる」「ほとんど読んでいない」などの閲覧率を確認する項目や、「経営陣の考えが分かった」「よく分からなかった」といった感想を確認する項目を立てましょう。
ポイントは「ほとんど読んでいない」などネガティブな意見の社員に「読まない理由」を確認する質問を入れることです。ここでも「誌面が読みづらいから」「企画に興味がわかないから」など、いくつかの項目を設定しておくと回答を得やすくなります。全体の傾向として読まれない理由が把握できると、対策を打ちやすくなります。
「読みづらい」という意見が多い場合は、文字サイズを大きくして行間をゆったりさせたり、ページ当たりの文字量を減らしたりするなどを検討しましょう。写真の配置や見出しの有無も含め、デザインやレイアウトの見直しも必要です。
「企画に興味がわかない」という意見を生かすには、その回答者がどんな誌面を高く評価しているかを確認することがヒントになります。たとえば経営層からのメッセージには関心が薄いものの、社員の写真投稿コーナーは熱心に読んでいる、という場合は経営層のメッセージにも、プライベートショットや趣味を紹介するミニコーナーを設けるなどの工夫で、興味をひくことができるかもしれません。
毎号ごとに振り返りの時間を取ることが難しい場合も、年末や年度末などのタイミングで少なくとも年に1回は振り返りを行うようにしましょう。反省点・改善点を整理して次号以降の制作に生かしていき、より多くの社員に読まれる社内報を作っていってください。
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