職場は“仲良し組織”でいい⁉ ワールド・カフェでつくる成功へのサイクル

社内報担当者の皆さま、こんにちは。

突然ですが、米マサチューセッツ工科大学(MIT)組織学習センター創始者のダニエル・キム氏が提唱している「成功の循環(Core Theory of Success)」についてご存じでしょうか?

 

 組織が成果を上げ続けるためには「関係の質」が重要!

 「成功の循環(Core Theory of Success)」とは、職場などの組織が成功するために必要な4つの要素と、その関係性のサイクルを示したモデル。

メンバー間の活発なコミュニケーションやお互いを尊重し合う姿勢などによって「関係の質」が良くなると自然と考え方が前向きになり、モチベーションや目的意識が高まって「思考の質」が上がります。

「思考の質」が上がると積極性や主体性が高くなって新しいことにチャレンジする意欲が生まれ(行動の質)、良い結果が生まれて「結果の質」につながります。すると、ますます関係の質が高くなる、といったプラスの循環を生み出します。

その逆に、マイナスの循環に陥ることもあります。

組織内の人間関係が悪くてギスギスしていると思考が萎縮して視野が狭くなり、後ろ向きになって他人を責めがちになったり、行動が受け身になって思うような成果が出なくなります。それによってますます人間関係が悪くなって、職場に閉塞感が漂ってしまうことも…。

残念ながら、業績の悪い組織ほど、短期的な成果を求めてメンバーに強いプレッシャーをかけがちです。そして、期待していた成果が得られないと、さらにプレッシャーのレベルを上げて一人ひとりを追い込んでいくのです。

一見遠回りに見えるかもしれませんが、組織が成果を上げ続けるためには、まずはメンバー間の「関係の質」を上げる必要があるのですね。

 

「ワールド・カフェ」を取り入れてみませんか

チーム全体の「関係の質」を上げるための取り組みのひとつとして、飲み会や社内イベント、チームビルディング研修や合宿、チーム表彰などの制度を取り入れる組織もあるでしょう。

それもひとつの有効な方法ではありますが、先進的な取り組みとして、アメリカ発の「ワールド・カフェ」と呼ばれる対話手法をご紹介します。

これは堅苦しい会議室ではなくカフェのようにオープンでリラックスした空間で、メンバーの一人ひとりが自分の想いをオープンに語り、メンバーを替えながら話し合いを繰り返してアイデアを出し合っていくというもの。

テーマとして、会社のビジョンやパーパスを社員で話し合ってみるというものでもいいですし、「お互いのコミュニケーションをもっと良くするためには?」など、 メンバー全員が共通の話題を持っていそうなテーマを選ぶといいでしょう。

社内報担当者なら「社内報で取り上げてほしいテーマは?」と聞いてみるのもいいかもしれませんね。または社内報で集めようと思っていたテーマについてそこでヒアリングしてみるもありです。

例えば「会社として、今後SDGsにどう取り組むべきか?」「女性がもっと活躍するためにはどうすれば?」「DXの推進について」など。もちろん、そのワールド・カフェの様子を社内報でレポート記事として載せるのもオススメです。

 

「ワールド・カフェ」で社内報もつくりやすくなる⁉

「ワールド・カフェ」の取り組みを成功させるためには、地位や年齢に関係なくフラットな立ち位置で、リラックスした雰囲気の中で話し合うことも大切なポイント。

いつもの会議室で行うとしても、お茶やお菓子を用意して、机をランダムに並べて、できるだけ参加者がリラックスできる雰囲気をつくりましょう。

また、お互いを呼び合うときは「〇〇部長」「△△課長」「××ちゃん」ではなく「〇〇さん」「△△さん」「××さん」と平等に呼び合うことを徹底してください。普段の業務ではかかわりがなく、社内で今まで話したことがない人とも気軽に話せるようになるかもしれません。

 

ぜひみなさんの職場でも「ワールド・カフェ」を取り入れて、コミュニケーションを活性化して「関係の質」を上げていきましょう!

「関係の質」を上げるために社内報はとても有効ですが、その社内報に協力してもらいやすい環境や人間関係をつくるためにもぜひ挑戦してみてくださいね。

 

 

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<執筆者>
ディレクター 西田
ワールド・カフェで今まで話したことがない人と話すことで「この人ってこんな人だったんだ~」という新しい発見があるのも楽しいですよ。「意外とかわいいところがあるのね」なんて思えば、相談事ももちかけやすくなるもの。「この経費、なんとか落としてもらえないかな~」なんてね…(笑)