社内報でコミュニケーションが活発化した実例

会社内部でのコミュニケーションを活発化するための「インナーコミュニケーション」ツールとして、社内報が大いに効果があることはご存じかと思います。

 

今回は、さまざまな企業様の社内報制作のお手伝いをしているエンカウントのディレクターが見てきた実例の中から、社内報によって社員同士のコミュニケーションが活性化したケースをお伝えします。社内報担当者のみなさんが、企画を立てる際の参考になればと思います。

 

1▶ペットの写真を載せたら、社内報を中心に輪ができた!

2018年は「戌年」ですが、社内報の新年号で干支にちなんだ企画を立案されたA社の担当者Wさん。Wさんは、社内報担当者になって数年が経つため、「良い企画は、社内のさまざまな情報を日頃から収集しておくと思い浮かびやすい」ことを、経験から知っていました。

そんなWさんが干支にまつわるページを作る時にひらめいたのが「我が家のワンちゃん紹介」です。役職や部署を問わず、たくさんの人(30人程度)が自慢のペットのワンちゃんの写真を撮り、名前やエピソード、かわいいポイントなどを原稿で寄せてくれ、とても華やかなページになったのは言うまでもありません。

社内報の配布日には、該当ページを見ながら「課長、うちもトイプードル飼ってます!」と、普段あまりしゃべらない若い社員が上司とコミュニケーションをとっていたとか。

 

ここでの成功ポイントは3つです。

(1)

日頃から、社内のこと、社員のことなど情報収集をしていたため、他部署の人とも顔なじみとなり、犬を飼っている人がすぐに思い浮かんだ。そのため、その社員に、他に犬を飼っている人を紹介してもらい、更にその紹介者が「そういえばあの人も…」と、どんどん掲載希望者の輪が広がった。

(2)

ふだん「自分の顔写真や原稿が社内報に載るのは恥ずかしい…」とためらう人でも、溺愛している「ペット」となれば話は別。(掲載してほしい、と社員が自発的に思えるような企画を立てることができた)

(3)

季節のネタ(干支)を、仕事ではなく社員のプライベートにからめて企画することができた。

 

この企画が好評だったため、Wさんは、毎号ミニコラムとして「我が家のペット大紹介」の掲載スペースを設け、連載化されました。

2▶普段の社員とのギャップを見せたことで成功した「私の趣味紹介」

「私の趣味」と題したコラムを連載しているT社。担当者のSさんは、そのコーナーに掲載する人を「惰性」で選ぶのではなく「少し変わった趣味」や「読み手の興味をひく趣味」を持っている社員がいないかリサーチし、見つかると原稿・写真の依頼をかけています。中でも、女性で和太鼓を叩いている人が見つかったときは、職場での雰囲気とのギャップに驚き、掲載された社内報を見た人から、多くのリアクションがあったそうです。

「趣味紹介」は、多くの企業様が社内報で一度はトライしたことがあると思います。例えば「ちょっと変わった趣味」や「ふだんのその人とのギャップがあるもの」など、こだわりを持って人選すると成功する、というケースでした。

3▶社内報での座談会企画終了後も、縁が続いている!

部署間の交流がないことに悩んでいたB社の担当者Kさんから、各部署から人を集めて座談会をやってみたいと提案がありました。B社は部署によって勤務場所や携わる仕事がまったく違うため、仕事の話は抜きにして“自分の好きなこと(趣味)”について語り合って交流を深める場として「社内報の誌面」を利用してもらおう!ということになり「映画が好きな人」「漫画が好きな人」などが選抜され、座談会をすることに。

挙手制にしたため、皆マニアックな作品を推す座談会は、大盛り上がり。この座談会の連載が終わった今でも、社内報をきっかけに「同じ会社で働く人」以上の繋がりができ、拠点が違ってもプライベートでの交流が続いているそうです。


いかがですか? 社内報を通じて「インナーコミュニケーション」は確実に活性化します。もちろん、楽しい話ばかりではなく、多くは業務に関わる厳しい話、コンプライアンスなどの注意事項徹底など、社内報には「掲載しなくてはいけない企画」が存在します。

でも、そんな記事ばかりではなく、少し柔らかいこういった記事を通じてもインナーコミュニケーション活性化は実現できますよ。参考にしてください。


執筆者/ディレクターA

近況:激痛で悲鳴を上げた日から約4カ月。ようやく四十肩が治ってきました…