印刷の基本を理解しよう

「社内報の印刷ってどんな工程を踏んでいるの?」そう疑問を持ったことはありませんか? 今回は印刷の基本から印刷工程までを順を追って紹介します。社内報の印刷工程を基本を理解することで、より理想に近い社内報を制作することができます。

 

 

印刷の基本

印刷工程の前に、まずは印刷の基本についておさらいしておきましょう。

 

DTPって何?

「DTP」という言葉。聞いたことはあるけど実際どんな意味かよく分からない…。実はそんな方多いのではないでしょうか?
「DTP」とは、Desk Top Publishing(=卓上出版)の略。つまり必要な用度をすべてデジタルデータでパソコンに取り組み、IIIustrator、InDesignなどのレイアウトソフトを使って配置・構成して印刷用のデータを制作することです。

かつてDTPがなかった頃は、文字を配置した版下、写真などの印刷用のフィルムの作成などの工程を専門家が手分けして行っていました。DTPではこの作業をすべてパソコン上で行えるため、卓上出版と呼ばれました。現在社内報を含むほとんどの印刷物が、このDTPによって制作されています。
 

オフセット印刷とオンデマンド印刷

オフセット印刷とは?

クオリティーの高い印刷に最も適した印刷方式で、現在の商業印刷のかなめです。版面を水で湿らせ、水と油の反発作用を利用して画線面にのみ油性インキをつけます。ロール状の印刷用紙の両面を同時に印刷するため速度が早く、大量生産に適しています。新聞や雑誌などの印刷によく使われています。印刷会社によって違いはありますが、100〜200を超える部数を印刷する場合は、オンデマンド印刷よりもオフセット印刷の方が割安になります。

オンデマンド印刷とは?

On demand(=要求があったときにサービスを提供する)印刷方式のこと。版を使用せず、印刷データを直接高細密レーザープリンターに送ります。小ロットでの印刷や種類が多数ある印刷物に適しています。また短納期印刷が可能でオフセット印刷に比べ、納品までスピーディーです。少部数印刷の場合はオンデマンドの方がお得ですが、一般的にオフセット印刷の方が高品質です。
 

 

 

データ入稿から社内報ができるまでの流れ

印刷方法によって異なりますが、データ入稿から納品までおよそ1週間〜10日間ほどかかるのが一般的。社内報がどんな印刷工程を経て完成されるか、主流のオフセット印刷で順を追って見ていきましょう。

 

①印刷会社へ入稿

大きく分けると、直接営業さんとやり取りする印刷会社とネット印刷があります。最近ではネット印刷も主流になってきました。印刷について相談に乗ってもらいたい場合は、親身になって質問に応えてくれる印刷会社を選択するのがベターです。また、入稿の際に色や写真についての希望を伝えておくことで、④の色校正で確認することができます。

②面付け

社内報のような冊子や本を印刷する場合、複数のページを1枚の用紙で一気に効率良く印刷し、後から紙を追って断裁します。面付けとは、製本時にページが正しく揃うように割り付ける工程のこと。

③刷版

DTPで作成したデジタルデータを色校正専用出力機CTP(用語解説)で印刷用の版面に出力します。

④色校正

CTPで出力したゲラ(紙に出力したもの)で色味や写真の調子などをチェックします。入稿時に色や写真についての希望を伝えていた場合には、きちん反映されているかチェックしましょう。希望を色校正には簡易色校正と本機本紙校正があります。

⑤製版・印刷

色校正を終えるとインキを転写するための版をつくり、紙に印刷します。

⑥折り・製本・加工・断裁

印刷後、紙を折る折り丁、丁合経て、中綴じや無線綴じなどの綴じ作業を行います。また、付加価値を追加する箔押しなどの加工を行うこともあります。
製本の工程についてはこちらをご参照ください→「社内報で最も多い 中綴じと無線綴じを理解しよう!」

⑦検品・発送・納品

抜き取りチェックなどの検品を経てようやく印刷工程が完了。こうした工程をクリアしてようやく社内報が手元に届けられます。

データ入稿以降の制作流れについて、関心がなかった方も多いのではないでしょうか? これだけのフローを踏んでやっと社内報が完成します。印刷工程を理解することでより理想に近い社内報が制作できるようになります。

 

 

 

(関連記事)

「社内報で最も多い 中綴じと無線綴じを理解しよう!」

「社内報をレベルアップさせる 印刷・製本加工」

 

 

【執筆者】

ディレクター 後藤

今年はあんまり梅雨を感じませんね…。