上層部の考えの浸透を目指す「トップダウン」型の社内報では、経営方針や上層部のメッセージなどを掲載する機会が多くなります。
真剣な内容の掲載内容が増えると、誌面が堅い印象になりやすいので、中には読むのに気が進まない人がいるかもしれません。「読みたい!」と社員に思ってもらうには、親しみやすい雰囲気の誌面をつくる工夫が必要です。読み始めるハードルを下げて、読み込んでくれる社員が増えれば、結果的に社内報の発行効果も上がります。
今回は、トップダウン型社内報の制作担当者に参考にしてほしい、誌面づくりのアイデアを紹介します。
経営計画や経営方針は、読まれるためのひと工夫を
経営計画・経営方針のような会社の新しい取り決めを紹介するページは、文章や表でギュウギュウになりがち。読み始める際のストレスを減らすために、見せ方を工夫しましょう。
たとえば「中期経営計画」の内容を紹介する際、多くの場合重要なのが、ゴールとして設定している目標と、ゴールまでの取り組み・考え方をステップとして理解してもらうこと。そのためには、それぞれの取り組みをゴール(目標)までのマスとして、「すごろく風」のデザインにまとめてはいかがでしょうか。目標までにどんな取り組みをしていくのか、順番を追って確認でき、視覚的にわかりやすくなります。さらにゲームのような見た目にすることで「堅い」「難しそう」などの印象をやわらげることができます。
また目標設定の背景や策定の経緯を理解しやすくするには、社員同士、もしくは社内にマスコットキャラクターがいる場合はキャラクターの会話文としてまとめてみましょう。身近な存在が話している文章にすることで、親しみやすさが増します。
上層部へのインタビューは、リラックスした写真を取り入れて
上層部へのインタビュー記事で人気なのが「ビジネス誌」風にまとめられたスタイルのもの。腕組みなど威厳を感じさせるポーズの写真と一緒に文章を載せることが多いですが、場合によってはトップダウン感が強くなり、現場の社員には「説教される」ような印象を与えてしまう可能性があります。
威圧感が強いようなら、まずは写真をリラックスした雰囲気のものに変えてみましょう。にこやかな笑顔や穏やかな表情なら、読み手に緊張感を与えることはないでしょう。衣装もスーツを着た写真に限定せずに、私服を着用いただいたカットを使用すれば、親しみのある雰囲気になります。
また、上層部の方の個人的なエピソードに関する「クイズ」をいっしょに掲載してみることをおすすめします。ユニークなエピソードがなくても、社員に答えを考えてもらう仕組みにすれば「読んでみよう」というモチベーションを上げるきっかけになります。「実はインターハイ経験者の〇〇専務。学生時代に熱中したスポーツは何でしょう?」「『辛いものが苦手』と話す〇〇常務。中国出張時に想像よりずっと辛くてびっくりした料理とは?」という小ネタを入れると楽しいクイズになります。答えも誌面下部などに小さく掲載しておきましょう。
上層部が社内報を通じて社員に伝えたいメッセージの中に、重要でないものは一つもありません。だからこそ一人ひとりの社員にしっかり読んでもらうための工夫が大切です。堅い印象に見えることのある誌面も、時には思い切って親しみやすく変化をつけてみましょう!
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