“FOMO”をうまく活用して、見逃したくないコンテンツづくりを

FOMO(フォーモ)という言葉をご存じでしょうか。Fear of Missing Out、つまり「見逃すこと・取り残されることへの不安」を指す言葉で、ある情報に対して「自分も知らないとまずいのではないか」「知る機会を逃してしまってはいけないのではないか」と感じる心理状態をいいます。主にSNSの利用に伴う不安として使われますが、マーケティングや商業雑誌の誌面づくりにおいても広く活用されています。

たとえば、雑誌でよく目にする「今年知っておくべき〇〇ベスト10」「編集部厳選5選」といった企画は「世間のトレンドを自分も知っておかなければ」と思わせる表現です。さらに「独占インタビュー」「初公開写真」といったコンテンツは、「今ここで見ないと損をする」と感じさせることを狙っています。こうした“見逃したくない”気持ちを生み出そうとするコンテンツづくりは、まさにFOMOを応用しているといえますね。

 

FOMOを利用して、より読まれる社内報に

この考え方は社内報の定番企画にも応用できます。ただし、いたずらに「不安をあおる」のはNG。「知らないともったいない」「自分にも関係あるかもしれない」と感じてもらえるよう、見出しや企画を工夫して、社内報を読むフックにすることを目指しましょう。

 

たとえば、社長メッセージの内容に応じてFOMOを意識したタイトルに変えてみましょう。

社員に心掛けてほしいことを伝えるメッセージであれば「知っていて当然!? わが社が大切にする心構え○選」というようにまとめてみましょう。「知っていて当然のことなのに知らない」という心理は、確認するために読むという行動につながりやすくなります。

シビアな内容を伝える場合「今期、社長が最も危機感を抱いていることとは?」といったタイトルも効果的です。トップが抱く危機感は、社員にとって「把握しておかないとまずい」という意識を抱かせる強力なフックになります。

 

福利厚生などの制度紹介でも同様です。レジャー優待やチケット割引などの利用率を上げたい場合は「使わないと損! お得な制度一覧」と打ち出し「見逃すと損をする」と感じてもらうのが一つの手です。

本文では「年間○万円分の補助が出る制度ですが、利用率は約○%にとどまっています」と具体的な数字を交えて伝えれば、より自分事としてイメージしてもらいやすくなります。

 

また、永年勤続者紹介のような企画でも、FOMOの観点を盛り込む余地があります。勤続20〜30年の大ベテラン社員に対して「入社当時と今、一番大きく変わったことは?」といった切り口でコメントをもらってはいかがでしょうか。20〜30年前からの変遷は、入社数年の若手の社員はもちろん、多くの社員が知らない情報です。「自分の会社のことなのに、過去のことはよく知らないな」という気づきが「読んでおかなくては」という意欲を引き出します。

 

 

FOMOという考え方は「読んだ方がよさそうだな」と自然に思ってもらえる誌面づくりのヒントになります。「知っておかなくては」と感じるような要素をさりげなく入れて、ページをめくる動機を生み出していきしょう。

 


【関連記事】

DEIの観点から社内報を見直してみよう

社内報も「アテンション・デトックス」を意識しよう


【執筆者:ディレクター今枝】
深夜2時に起きてW杯ブラジル戦を見た私も「見ておかないと、まずいんじゃ?」というFOMOに負けていたのかもしれません。だって、その後一度も深夜に起きて観戦していないんですから。。