文章レイアウトは「縦書き」と「横書き」のどちらがいい?

社内報担当者の皆さま、こんにちは。
社内報を作成するときには、紙面のレイアウトラフを作成していらっしゃる方がほとんどだと思います。そのときに発生するのが、文章レイアウトは「縦書きか横書きか、どちらがいいのか問題」です。

 

自社の社内報は右綴じ? 左綴じ?

自社の社内報を改めて眺めてみてください。右綴じの社内報の場合、横書きの記事も中には混在されているかもしれませんが、ベースは縦書きになるかと思います。左綴じの社内報の場合は、ほぼ100%横書きであることが多いでしょう。

では、なぜ自社の社内報はその綴じ方にしているのでしょうか? 横書きのレイアウトを多用したいから左綴じにしたなど、何か明確な理由はあるのでしょうか? もしかしたら 「今までずっとそうだったから…」という理由でしている、という会社様が多いかもしれません。

縦書きと横書きを使い分けていますか?

世界でも珍しく、日本語の文章は、縦書きと横書きが混在しています。単行本(とくに小説)や新聞は縦書きがほとんどです。雑誌であれば、ジャンルや記事にもよりますが両方が混ざっています。例えば、ファッション誌や旅行誌なら右綴じの体裁で縦書きが基本ですが、記事の中で横書きのレイアウトを入れてアクセントをつけていたりします。ビジネス系雑誌や情報誌は、左綴じの横書きが多いですし、インターネットやスマホの記事やコラムはほぼすべて横書きの文章になります。

 

もともと日本語は縦書きの文章しかありませんでした。これは中国語、つまり「漢字」が本来縦で書くために生まれたためです。漢字から派生した「ひらがな」も「カタカナ」も、縦書き用に生まれた文字です。日本において横書きの文章が生まれたのは、日本人が西洋の言語に触れた江戸~明治の時代とされています。オランダ語やポルトガル語、英語のアルファベットは横書き用の文字なので、そこから影響を受けたのでしょう。

私たち現代の日本人は、縦書きでも横書きでも読めるように学校教育を受けています。しかし、どのようなときに縦書きがふさわしくて、どのようなときに横書きがいいのかを認識して使い分けている方は少ないかもしれません。もし使い分けができれば、日本語ならではのメリットをたっぷりと享受できますね。

 

横書きと縦書きのメリット・デメリット

視線の移動速度という点では、横書きの方が縦書きよりも速いと言われています。確かに、筆者の感覚では首を振るときは横に振る方が縦に振るよりも、早く楽に振れます。しかし動きが早い分、読み飛ばしもされやすい可能性があります。一方、縦書きは視線の移動速度が遅い(つまり、横書きに比べると読みにくい)ため、一文字一文字をしっかりと凝視されやすい傾向があるそうです。

そこから考えると、スピーディーにスラスラと読んでもらいたいなら「横書き」、しっかりと精読してもらいたいなら「縦書き」が向いているということになります。社内報であれば、会社の理念や経営方針、社長のメッセージ、コンプライアンス遵守についてなど、重要な文章は縦書きのレイアウトにするほうが、頭の中に残りやすいといえそうです。

 

ターゲットに合わせて使い分けてみよう

その人にとっての読みやすさは「慣れ」も大きいようです。

ひと昔前は新聞も単行本も雑誌も、活字媒体では縦書きが絶対的なスタンダードでした。それに慣れている団塊の世代にとっては縦書きのほうが読みやすく感じるようです。

しかし、アルファベットのデジタル用語を多用し、インターネットやスマホで小説や記事を読むことに慣れているデジタルネイティブ世代は、横書きのほうが読みやすいと感じる可能性が高いのです。

どちらの世代に向けてよりしっかりと読んでほしいかという視点で、縦書き・横書き、どちらのレイアウトが最適かを検討してみてもいいですね。

 

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ディレクター 西田
日本語は漢字、カタカナ、ひらがな、そしてアルファベットも使えて、さらに縦書きも横書きもできて…本当に自由度が高い言語です。だから、日本の本は右綴じにしても左綴じもどっちもありなんですね。 英語などの雑誌はおしゃれに見えるけれど、どうしてもアルファベットの横書きの羅列しかないから、紙面に遊びが生まれにくいですよね。もちろん本は左綴じしかありません。日本語って素晴らしい!