誰に読ませたくて社内報をつくっていますか?

12月も中旬になりました。担当者の皆さんは、2019年の1年間、他の業務と並行して社内報づくりに励まれたことと思います。おつかれさまでした!

この時期、1年の反省をしたり、翌年の抱負を考えたり、次年度の目標を策定し提出・発表することも多くなると思います。そこで「社内報」についての目標を立てられる際に「アンケート返信率10%UP」などの数値目標と併せて、ぜひ再度考えていただきたいのが「誰に読ませたくて社内報をつくっているか」という社内報づくりの根幹にかかわる問題です。

「誰のために」を考えるとき、ポイントとなるのは、読者層を細分化して分析するということです。なぜなら、読者ターゲットをピンポイントで絞りこむことが、購読率UPの重要なカギとなるからです。理由は、社内報であれ何であれ、人は「自分のためにつくられたもの、自分に宛てた記事と感じられるもの」は自分事として読む傾向にあります。極端な話、友人や家族から「自分宛」に届いたメールは、自分以外の誰のためでもないメールであるため、必ず開封して読みますよね。一方、グループLINEはどうでしょうか。仲のいい友人同士のLINEグループも、自分だけに宛てたメッセージではない場合、個人メールよりは重要度は減り、読み飛ばしたり、まとめ読みで済ませたりするときもありませんか。

社内報も同様です。自分のためにつくられた記事は、読む気になります。もちろん誰に読んでほしくて社内報をつくっているかと問われたとき、大前提「全員!」と答えたいところですが、配布した人全員が全部の記事を読んでくれることは、非常に稀です。そこで、まずは、読み手の層を細分化し「その人のためにつくる」ことをおすすめします。

まずは、読者層を細分化してみます

(1)大枠でターゲットを確認する

・社員

・経営層

・社員の家族

 

(2)それぞれ細分化する

・社員

新卒入社1年目、入社2年目~4年目、5年~10年目、中途入社の方々、そのうち男性・女性のどちらに読んでほしいか、「元」社員(OBやOGにも送付して読んでほしいのか否か)、社員の役職で細分化すると、その層に読んでほしいか。

 

・経営層

代表取締役社長、役員、社外役員等

 

・社員の家族

社員の配偶者、子ども、親、兄弟、同居している人・同居していない家族、祖父母等

 

細分化した最小単位に宛て

企画をつくって掲載しよう

 

例えば「社員」の中の「リーダー層」に読ませたくて『新米リーダーの本音』というインタビューページを設けたとします。プロジェクトリーダーやマネージャーの中から、役職について1年くらいの方を一人ピックアップし、やりがいや就任前後の理想と現実のギャップ、エピソードを語ってもらいます。

これは、頑張る新任リーダーを応援・後押しすることを主目的にしていますので、読ませたいのは「同じ境遇の他の新米リーダー」です。彼らの共感を呼び「ほかのリーダー/マネージャーも大変なんだな。自分だけじゃないんだな」と心が動きます。

 

特定少人数に宛てた企画でも、

他の層の読み手が表れる善循環

 

これは実際の話ですが、その新米リーダーの記事は、そのリーダーたちを束ねる部長クラスの方々に大変好評でした。「彼らが何に悩んでいるか、どんな気持ちでいるかが、社内報を読んでより深く理解できた」からです。

もともとは、新米リーダーに読んでほしくて、彼らのために限定して作ったページが、他の読み手層にも届いた=購読率があがったのです。

 ターゲットを細分化することで

企画のマンネリから脱却

 

冒頭「読者ターゲットをピンポイントで絞りこむことが、購読率UPの重要なカギとなる」と書いた理由は、これです。できるだけ細かくターゲットを絞り込み、具体的な内容の記事を載せることで、逆に、そのターゲット以外の人の注目を集めることもできるのです。

そう考えると「企画のマンネリ」は無縁になると思いませんか。細分化してみると、大枠で捉えているときよりも企画の種類は多くなります。

担当者は、そのバランスを考え、1冊の社内報にまとめていってください!

執筆者:ディレクターA

寒くなって気温が15度を下回る日が増えてきたので、チューリップの球根を植えました。春が待ち遠しいです。