社員表彰。社内報で、どう紹介していますか?

社内報担当者になると、社内外で表彰された従業員を紹介する誌面を作ることも多いと思います。成績優秀者、社長表彰の受賞者、客先から表彰された部署、永遠勤続表彰など、ジャンルは多岐にわたります。

顔写真と名前だけの掲載では、もったいない!

多くの担当者が基本的に紹介するのは、表彰を受けた従業員の名前、所属、そして、どういった内容の表彰だったかです。これらを顔写真といっしょに一覧にして、掲載するパターン。

もちろん、それらも大切ですが、もう一歩踏み込んで「社内報ならでは」の紹介の仕方を考えてみませんか?

読み手である社員にストーリーを提供しよう

 

前述の通りに顔写真とともに名前と所属を掲載した場合、読み手である社員がそれを見たとき、何か心を動かされるでしょうか。「この人たちが今年勤続20年なんだ~」「同期の〇〇さんが社長表彰を受けたんだな。頑張っているな」などは思うことでしょう。

しかし、社内報には「情報の共有」という目的と同等に、社員のやる気を後押ししたり、何かを考えるきっかけになったりといった存在価値もあるのです。

つまり、勤続表彰を紹介するのなら、読み手の心情を先回りして読み、勤続表彰という「事実」を社内報担当者として「編集」してほしいのです。

すると、その企画からは、担当者独自のカラーが生まれ、物語性が生まれます。大げさなようですが、ホントです。

事実の集まりを「編集」して読み手へ届けるために…

永年勤続を例に、お伝えします。

例えば、離職率が高い会社の社内報なら、今いる社員の中には水面下で転職を考え、永年勤続のページを見て「どうやったらこの人たちみたいに長く働けるのか。私には無理そうだな」「モチベーションを保つ秘訣があったら教えてほしいな」と思うことでしょう。

新入社員が読んだら「今はベテランと言われているこの人たちが、私のように新入社員だったころは、どんな風だったのかな?」「新人時代にやっておくと、後々、役に立ったことはあるかな?」と思うことでしょう。

これらを担当者が想像し、企画化したとき、いつも名前と顔写真を掲載していただけの「永年勤続者表彰」ページは“読まれる”社内報のページへと生まれ変わると思います。「読まれる社内報」とは「読んだ人に、何かしらの感情の跡を残す社内報」ということです。

実例:永年勤続表彰 企画3選

今回は勤続表彰を例に、社員のためを思った企画を紹介します。会社が抱える問題は、さまざまです。下記の企画例を参考に、社内報の一つ一つの企画に、その問題解決の手助けができる力があると信じて企画を練ってください。

 

 企画1

永年勤続表彰者にズバリ聞きました!「長く続けられる理由は何?」

離職率低減は、社内報がその解決の一端を担える問題の一つです。長く勤務されている人たちに、そのモチベーションの源となるようなことを聞き、誌面で紹介しましょう。永年勤続表彰者の「自分の場合」が、誌面をみた誰かの、たった一人でもいいので共感を呼び、その人の退職を思いとどまらせるきっかけになるかもしれません。

企画2

20年達成! 永年勤続表彰「私の20年に、キャッチフレーズをつけました!」

表彰者に、20年間を振り返ってもらう企画例です。「山あり谷ありの20年」「最初の5年は暗黒時代…」「10年越えたら道が開けた!」など、オリジナルのキャッチフレーズをつけてもらい、その理由を表彰コメントとして掲載しましょう。人それぞれの20年が、読み手の心にぐっと迫ってきます。

企画3

永年勤続表彰者から、本年度の新入社員へメッセージ!

「私の新人時代は●●でした」

まだまだ仕事を覚えることで精いっぱいの新入社員が読んだとき、ベテランの意見を参考にできる企画です。「私が新入社員だったころは資格取得を誰よりもがんばっていた」「同期と夜な夜な遊んだおかげで一生ものの同志ができた」「上司に言われたことは何でもメモするメモ魔だった」など、今はベテランでも昔はみんな新人だったことが分かります。不安な心でいる新入社員に10年後、20年後を見せ、キャリアパスを描きやすく誘導するのも社内報の役割です。

 

執筆者/ディレクターA(今年の夏はシュノーケルに挑戦♪)