社内報を作るとき、真っ先に考えるのは「どんなコンテンツを掲載すべきか」ではありませんか。部署紹介、社内行事、活動報告など、伝えるべき内容に意識が向きがちですが、せっかくなら読者の心を動かしてより多くの影響を与えたいですよね。
社内報をただ読まれるものから、心に残るもの、感情を動かすものへ変えるために大切なのは、情報の正確さや網羅性だけではありません。「感情に働きかけること」と「人にフォーカスすること」という視点を取り入れることで、組織の温度を伝える大切なコミュニケーション媒体へと変わります。
感情に働きかける

読者の心に残るのは、何かの結果や報告ではなく、その裏にある人間ドラマです。たとえば、進行中のプロジェクトの紹介記事の場合、単に概要やこれまでの成果を紹介するだけではなく「なぜこの挑戦をしたのか」「どんな苦労があるのか(あったのか)」「障害を乗り越えたときはどんな気持ちだったのか」といったストーリーを織り交ぜることで共感が生まれます。
人にフォーカスを当てる

例えば社内行事の結果発表。「○○さんが最優秀賞になりました!」という結果だけでは、賞を取った人が変わるだけで変わり映えのない内容になってしまいます。知ったところで「そうなんだ」で終わってしまうかもしれません。
どんなに立派な取り組みや制度であっても、それを動かしているのは「人」です。そこで「最優秀賞を取るまでの長~い道のり」「○○さんが初めて大型契約を獲得した時の涙の理由」「新商品誕生の裏には○○さんの一言があった」という切り口を設定し、人にフォーカスを当てて紹介することによって魅力的なストーリーになります。
成功しているように見えてもその裏には悲喜こもごもがあり、さまざまな想いが積み重なっていることでしょう。「この人はこんなこと考えていたんだ」「同じ悩みを持っていたんだ」などの発見があり、この共感がおもしろさにつながります。
上記2点は相互に作用します。人にフォーカスすることで自然と感情が生まれやすくなり、感情に働きかける内容は必然的に深みのあるストーリーを生み出します。
単なる出来事の羅列ではなく、ストーリーとして紡いでいくことで、読者の感情を動かす社内報に近づきますよ。
正しく伝えることに加えて「誰にどう感じてもらいたいか」「誰のどんな想いを届けるのか」という視点を加えるだけで、同じ内容でも伝わり方は大きく変わります。社内報は、会社の今を伝えるだけでなく、人と人をつなぐツールです。数字や事実の裏側にある“感情”と“人”に目を向けることで、読み手の心に残る社内報をつくることができるかもしれません。

〈ディレクター:F〉