「アンコンシャスバイアス」とは、「普通はこうだ」「あの人はきっとこうだ」と考える無意識の思い込みのことです。
例えば、以前のCMでは女性が料理するシーンが一般的でしたが、最近は男性がキッチンに立つ姿をよく見かけます。これは「家事は女性がするもの」という性別の思い込みに配慮した一例といえるでしょう(もちろん、料理をする男性が増えた世相の反映でもあります)。
ここ10年ほど、職場のコミュニケーション術として注目度を高めているアンコンシャスバイアス。社内報制作にも影響することがありますので、うまく付き合うコツをお伝えします。
「みんな知っているはず」はホント?当たり前を疑ってみる

社内報では、社内だけの共通言語を用いるケースが多々あります。専門用語や製品名、アルファベットだけの略語といったキーワードは、入社歴が浅かったり、担当業務が異なったりすると理解できないことが少なくありません。読み飛ばされてしまうと、せっかく載せた記事のバリューが落ちてしまいます。
解決例として「新入社員が目にする春号には、用語解説を加えてみる」「制度やサービスを紹介する記事には、問い合わせ先の部署を載せる」などのひと工夫をしてみましょう。記事の解像度がぐっと上がります。
「会社の基本情報は、社員はみんな知っている」という思い込みを一度手放してみるのがコツです。
「みんな読みたいはず!」にご用心

「会社の経営情報は、社員は読みたいはず」。これも、もしかすると思い込みが関わりがちなケースかもしれません。忙しい業務の間に目を通す社内報だからこそ、読むことへのハードルを上げるのはもったいないことです。同じコンテンツでも、編集にひと工夫することで社員の心に届きます。
例えば、記事のボリュームがある場合は、合間に適切な小見出しを入れてみます。小見出しを読めば要点が分かるようにすることで、伝えたい情報の浸透に役立ちます。専門的なトピックスなら「Q&A方式にする」のも読みやすさを高める一手です。
実は、写真キャプションも読ませるための勝負どころです。若手世代はとくに写真のキャプションから目を通す傾向があるので、興味深いキャプションを入れれば、本文へ誘導しやすくなります。
「この企画は通らない」。過去の経験則を少し手放そう

「新しい企画は上層部に通らなかったからお蔵入りだね」「あの部署に記事を頼みたいけれど忙しいから無理かな」。これも無意識の思い込みのひとつと言えるでしょう。
没になった企画でも、提案時期を変えることですんなり通ることがあります。多忙だと思っていた社員に記事執筆を依頼したら、快諾してくれてホッとすることもあります。
一度断られるとトラウマとして避けてしまうのが人の常ですが、「あの企画はもう実現不可能」「あの人や部署にお願いするのはNG」とジャッジする前に、周囲に相談してみましょう。思わぬ糸口が見つかることがあります。
NGになった企画は、提案時期と通らなかった理由を記載してストックをしておいてください。今後の傾向と対策になり、アレンジして再利用することもできます。
「思い込み」を味方につける!

アンコンシャスバイアスは、決して悪い影響だけではありません。社員になじみのある事柄については皆、同じ思い込み(認識)をもっているため、「言葉を尽くさずに理解してもらえる」というメリットがあります。新聞や雑誌のようにイチから説明する必要がない分、小さいスペースに情報を凝縮できますし、「楽しかったですね、大変でしたよね」といった共感も得やすいです。
思い込みは社内報の編集にとって、ときに注意が必要ですが、一方では味方にもなります。編集するときには「○○なはず」「○○すべきと考えていないだろうか」を意識して、俯瞰する目を大切にしてみるのがおすすめです。
<関連記事>

【執筆者:ディレクターF】
ワイドパンツにひっかかり、この夏、2度激しく転倒。かろうじて骨折は免れましたが、打ち身が治りません。世のワイドパンツ派の皆さん、転んだことはないですか?
