文章生成AIで、社内報の記事は作成できる?

社内報ご担当者の皆様、こんにちは。

 

皆様は、どのように社内報の記事を作成されていますか?

AI技術がますます進化し、2022年11月にサービスを開始したChatGPTを始め、Microsoftの「Bing Copilot」、Googleの「Google Gemini」など、さまざまな「文章生成AIツール」が出てきています。キーワードやプロンプトと呼ばれる命令文を入れるだけで、自動で文章を作成してくれる文章生成AIを使えば、自分で文章を考える必要がなくなります。効率化を理由に便利よく使う人がこれからますます増えてくるでしょう。

しかし、活用するときにはいくつかのルールを守る必要があります。どんなルールでしょうか。突然ですが、ここで問題です。以下の選択肢から、間違っているものを選んでください。

1・生成された記事が、倫理的に問題がないかどうかを確認する。

2・著作権侵害に該当する可能性があるため、コピペチェックなどで調査する。

3・生成AIの高性能化が進んでいるため、信頼してすべてを任せる。

4・誤った情報が紛れている可能性があるため、必ずファクトチェックを行う。

5・社内の個人情報や機密情報などが盛り込まれないよう、厳重に注意する。

 

答えは「3」です。

文書生成AIは著しいスピードで進化していますが、現状では事実と異なる内容をさも事実かのように回答してくることがあります。そのため、必ず人間がコンプライアンスやモラル、倫理的側面、事実関係などをしっかりと精査して、正しい内容の文章にする必要があります。また、どこかのサイトから丸ごと文章を取ってくる可能性もあります。著作権侵害とならないよう、コピぺチェックなどの調査が必須となります。

 

では、生成AIを使って記事を作成するときは、どのように使うのがいいでしょうか。またまた問題です。以下の選択肢から、正しいものを選んでください。

1・AIライティング(生成AIで作成された文章)を原案として参考にしつつ、内容や事実関係を精査し、文章のトーンや論理の流れなどを考えて、適切な表現や言葉を使ってリライトする。

2・人間が書いた原稿をAIに添削させることで、より優れた文章表現に仕上げる。

3・完全原稿を自動で作れるよう、有料でも高性能な生成AIサービスを使う。

4・文字や文章の誤り、文法や表現の間違い、表記ゆれなどを見つけさせて校正させる。

 

 

答えは「1」です。

AIライティングは、言わばネット上に散らばっている既存の文章の組み合わせでしかありません。事実やコンプライアンスの確認ができていないのはもちろん、文章全体のトーンを合わせ、論理の整合性を取り、伝えたいことをひとつのストーリーとして完成させることはできません。また、生成AIは、文法や表現のミスを完璧に修正することはできません。

 

AIライティングでは下書きまで

生きた文章で社員の結束と共感を

AIライティングは、あくまで過去に誰かが描いた文章をもとにしています。ネット上にない最新情報、調査や研究の結果などは盛り込まれません。そして、社内報の読者である社員のニーズやシーズ、会社の未来予測や展望、状況分析や洞察を入れ込むこともできません。社員の感想や想い、声を入れることもできません。そのため、真の意味で読者の共感を呼び、社内のエンゲージメントを高め、コミュニケーションを促す文章をつくるのは難しいでしょう。

社内報の原稿づくりにおいては、AIライティングは企画のアイデアフラッシュや記事の下書きなどに活用することで効率化が図れます。社内報担当者様は、効率化によって生まれた時間やコストを使って、クオリティの高い記事やコンテンツづくりに取り組んでいただくことが可能です。信頼性の高い内容を生き生きとした文章で表現して、社員の結束と共感を生み、社業を発展させていきましょう。


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執筆者:ディレクター 西田

左の写真から早4年半が経ちました。写真を見ていると時の流れの残酷さを感じます…そして私たちの環境は目まぐるしいほどのスピードで変化していて、ビジネスでは毎日が生き残りをかけた闘いの場となっています。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」。チャールズ・ダーウィンの言葉を毎日かみしめて生きています。