社内報で取り上げる「SNSリテラシー」

SNSは、瞬時に情報を拡散することができるため、企業公式のSNSアカウントを使って広報活動をしている会社さんは多いです。

いっぽう、SNSはそのメリットと隣り合わせの「危険」もあります。いわゆる「炎上」です。誤った情報、何気ない発言が、アカウントの本人(会社アカウントの場合“中の人”と呼ばれるSNS担当者)の意図しない形で拡散され、炎上してしまうのもSNSが持つ側面です。

 

また、プライベートでのアカウントに目を向けると、どうでしょうか。会社には、社員個人のアカウントまで監視する義務も権利もありませんが、やはりプライベートでのアカウントとは言っても、社外秘の情報や会社のことを何気なく書いて、それらが拡散される危険があります。

 

近年叫ばれる「SNSリテラシー」ですが、多くの方にとって、SNSには前述のような危険性があることは、お馴染みの事実です。ほとんどの人が、SNSの炎上の危険性を知っているにも関わらず、SNSが原因の不祥事・炎上案件は定期的に起こっています。

 

それは、なぜなのでしょうか…。その疑問を掘り下げて、社内報で企画化する会社が増えています。もし、これを読んでいる担当者の皆さんがそのような「SNSリテラシー」を題材にした企画をお考えの場合、気を付けてほしいことがあります。それは「SNSには炎上の危険性があります。気を付けましょう」という一般論を触れるだけのページにはしてほしくない!ということです。

 

つまり、先ほどもお伝えしたように、既に、多くの方の共通認識でSNSには炎上や誤爆(と呼ばれる間違い投稿)の危険性があることは周知の事実なのです。それなのに、なぜ炎上が減らないのかを掘り下げるようにしましょう。

 

私は、社内報でSNSリテラシーを取り上げる際のポイントは大きく2つと考えています。

 

1 「明日は我が身!」と各人が本気で考えるような啓蒙記事を掲載する

 

これに関しては「他社の炎上案件に学ぶ」という切り口で、実際に他社で起きてしまったSNSに関わる不祥事を具体的に取り上げ、自分たちの場合に置き換えて警鐘を鳴らすページを作った会社さんがいらっしゃいました。社員の方々には、実際に起きた他社事例のため「そんなことある訳がない」「こんな馬鹿なミスはしない」という目線ではなく「こんなことが実際起きてしまったんだ」「自分にもあるかもしれない」という目線で記事を読んでいただくことができました。

 

2 具体的な炎上回避案を提示する

 

社内報のメリットは「直接的に社員に働きかける」媒体である点です。たとえば「誤爆には気をつけましょう」ではなく、具体的に「●●を××という方法で防止してください」と提示しましょう。

上記とは別の会社ですが「会社の公式アカウントは、会社支給のタブレットのみから更新する。私物のスマホなどには、会社アカウントを追加ユーザーとして登録しない」と取り決め、誤爆防止に努めるよう社内報を通じて指示した会社がありました。ユーザー切り替えのし忘れを防止するために、会社アカウントを更新する端末を単一化したのです。

「当たり前」といえば当たり前の方法なのですが、実際にはこれができていないから誤爆が起こる原因の一つとなっていると紹介したことで、社員には具体的に防止策が伝わったことでしょう。

具体的に、どうすれば炎上や誤爆が防止できるか。もはや気を付けていても起きるのが炎上、と捉え、その上での防止策を考えたいですね。

執筆者:ディレクターA

映画『ジョジョ・ラビット』を見て、打ちのめされました。死に様について、品のある映画でした。