もったいない! 陥りがちな社内報の誌面の使い方

社内報で伝えたいことは盛りだくさん。そんなときは誌面にできるだけ情報を詰め込もうとしてしまいがちですが、実はもったいない使い方のをしているケースが多々見受けられることも…。増ページすることがもっとも手っ取り早い手段ですが、予算の都合で簡単にページ数を増やせない。そんなお悩みをお抱えのご担当者の方に、今回は効果的な企画構成の手段をご紹介いたします!

 

企画の切り口を揃えよう!

同一ページ内にあれもこれもと掲載すると、散らかった誌面になってしまいます。たとえば「役員メッセージ」と「コンプライアンス啓蒙記事」と「業務改善提案」が同一ページ内に掲載されていても何が伝えたいページなのかはっきりしないため、効果的に伝わるとは言えません。しかし、これら三つの企画を「法令順守の重要性」という一つのテーマとして括ることは可能です。記事タイトルで「このページで伝えたいことは何か?」ということを読者に意識してもらい、テーマに沿ってそれぞれ三つの記事が構成されていると読者に効果的に伝えることが可能です。伝えたい情報を満遍なく網羅するのではなく、切り口を整えて発信するのは社内報編集作業における重要な要素となります。

企画の切り口やトーンが揃っているということは、誌面の分かりやすさに直結します。

 

原稿ボリュームを減らしてみよう!

「文字が多すぎて読む気がしない」という意見は社内報読者から多く寄せられる声なのではないでしょうか? 思い切って文字数を大胆にカットするのも、編集作業のテクニックです。社内報の目的は従業員に「情報を伝える」ことであり、「情報を掲載する」ことではありません。いくら情報量が多くても、読まれないのであれば目的を達成しているとは言えません。情報の優先順位をつけて、大胆に削ってみましょう。例として、童話「桃太郎」の一節を例に、原稿量をどれだけ削れるか試してみましょう。

 

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行きました。
おばあさんが川でせんたくをしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。
「おや、これは良いおみやげになるわ」
おばあさんは大きな桃をひろいあげて、家に持ち帰りました。
そして、おじいさんとおばあさんが桃を食べようと桃を切ってみると、なんと中から元気の良い男の赤ちゃんが飛び出してきました。
「これはきっと、神さまがくださったにちがいない」
子どものいなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。
桃から生まれた男の子を、おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付けました。
桃太郎はスクスク育って、やがて強い男の子になりました。(332文字)

 

上記の一節の中で重要度が高いのは「おばあさんが川で拾った桃の中から男の子が出てきた」というポイントです。「おじいさんが山でしばかりをしていた」という部分は、ストーリーとの関連がないので、省略してよいでしょう。また、「子どものいない老夫婦」であることも、ストーリーとは関係しない部分なので削除します。その上で上記一節をリライトして構成すると…

 

昔、川で洗濯をしていたおばあさんのもとに、上流から大きな桃が流れてきました。これを一緒に住むおじいさんへのお土産として持ち帰り、さっそく桃を切ってみると中から男の子が飛び出してきました。老夫婦はこの男の子を桃太郎と名付け、我が子のように育て、やがて強い男の子と成長しました。(137文字)

 

約200文字の原稿量を削減できました。極端な例かもしれませんが、情報が重要度が低い部分を見つけ出し削除することで原稿量は大幅に削減できます。誌面が文字ばかりになってしまうとお悩みの担当者の方は「伝えるためにたくさん書く」のではなく「伝えるためにたくさん削る」ことに力を注いでみましょう。

せっかく書いた原稿を削るのはもったいないと感じるかもしれませんが、情報をよりシャープにすることで伝わりやすさを生み出すという大切な作業です。

 

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【執筆者】

ディレクター 水谷

ディレクターひと昔前に比べて音楽フェスの種類ってとても増えましたね。秋も全国各地で開催されているようです。私も行ってみようかな? と思って調べてみるものの、見たいアーティストが1、2組程度しかない場合が多いため「うーん、今回はパス!」となります。なんでもかんでも詰め込めばいいってもんじゃないんです。