社内報担当者の皆さま、こんにちは。
社内報のコンテンツとして座談会を企画し、社内から参加者を募って迎えた当日。いざ始まると参加者同士ではまったく話が盛り上がらず、担当者様が質問しその質問に参加者が一人ずつ答えるだけの「一問一答」になってしまった…。そんな苦い経験をお持ちではないですか?
沈黙を前に冷や汗を流し、必死に話を振ったというのに、座談会がうまくいかなかったときの虚しさときたら相当なもの。ファシリテーション力がないせいでは…と、自分を責めると同時に、誌面化できるのか不安になりますね。「仕方ないから、内容を少し“創作”してしまおうかな」という気持ちが生まれてくるのも当然のことだと思います。しかし、話していない内容の創作は絶対にNGです。
今回は、当日のファシリテーション術と座談会後にできる「脚色」テクニックをご紹介します。
【当日編】一問一答状態を防ぐファシリテーション
参加者が黙ってしまうのは「何を話せばいいかわからない」「自分がしゃしゃり出ていいのか不安」と思う心理にあります。ファシリテーターが話の振り方を少し変えるだけで、対話は自然と生まれます。

①質問を投げかけるのでなく「パス」を回す
担当者様は「Aさんはどう思いますか?」「では次に、Bさんはどうですか?」などと、順番に質問を投げかけているかもしれません。それでは一問一答の返答が続くだけになってしまいます。
対話にするためにはAさんの返答を受けた後「Aさん、ありがとうございます! Bさん、今Aさんが『〇〇に困っている』って言っていましたけど、Bさんの部署でもそういうことってありますか」のように、Aさんの発言をBさんにパスのように投げてみてください。それだけでBさんの回答は「担当者様への返答」ではなく「参加者同士の対話」に変わります。
② 無茶ぶりを歓迎する空気をつくる
担当者様が順番に質問をしていると、参加者はその順番を守らなくてはいけないと思い込んで、口を挟むことを辞めてしまう可能性が高いです。そこでまずは「この座談会はざっくばらんに話してOKです」と宣言してから座談会を始めましょう。
さらに効果的なのは、話しやすそうな人を巻き込んで「味方」にすること。「Cさん、今のDさんの話、絶対突っ込みたいという表情をしていましたよね(笑)。どうですか?」のように、相手の表情や仕草を拾って「乗っかる」ように促すと、参加者の心理的ハードルがぐっと下がります。
③完璧な正解を求めない問いかけを心がける
「Aさんの業務効率化への取り組みは?」など、あまりにもかしこまって聞かれると「ちゃんとしたことを言わなくては」と身構えてしまいます。同じ内容でも「正直、もっと楽にしたいと思っていることは?」という聞き方なら本音が出やすくなり、周囲の共感も生まれます。もっとハードルを下げてあげましょう。
【事後編】盛り上がりをつくる脚色テクニック
万一、それでも話が盛り上がらず対話レスだった場合でも、編集の力で誌面上の温度は大きく変えられます。

①質問者の存在を消し、発言の順序を入れ替える
実際には一問一答でも、誌面上では「Aさんの発言を受けてBさんが話した」ように脚色できます。
<実際の発言>
ファシリテーター「Aさん、目標は?」⇒ Aさん「効率化です」
ファシリテーター「Bさんは?」⇒ Bさん「チーム全体のスピードを上げることです」
ファシリテーター「その目的は?」⇒Bさん「後輩の育成のためです」
<脚色後>
Aさん「今年の私のテーマは、やっぱり業務の効率化ですね」
Bさん「効率化といえば、私は後輩の育成を通して、チーム全体のスピードを上げたいと思っています」
これは嘘ではなく、テーマに沿った発言順の整理です。
②非言語の反応を言葉で補う
頷きや笑いなど、現場で起きていた空気を文章に補うだけで、誌面の温度が一気に上がります。
<実際の発言>
Aさん「効率化です」⇒(Bさん、深く頷く)
<脚色後>
Aさんの「効率化」という言葉に、隣のBさんも大きく頷いていました。
脚色とは「嘘をつくこと」ではなく「魅力を引き出すこと」
座談会で対話レスだったのは、参加者が緊張していたからであり、伝えたい想いがなかったわけではありません。 社内報担当者の役割としては、当日は話しやすい空気をつくり、原稿では参加者の本音を読者に届く形に脚色することです。事実を曲げる必要はありません。
当日のファシリテーションと事後の脚色、この二つが揃えば、静かだった座談会も誌面の上で生き生きした対話になります。ぜひ、次回の座談会から試してみてくださいね。
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<ディレクター 西田>