こんな時どうする? 社内報と著作権が上手に付き合うために

社内報と切り離すことができない著作権。

著作権を侵害することはあってはならないですが、気にするあまり写真やイラストが一切ない社内報では、読者は読む気になりません。

著作権侵害を防ぐために、著作権を理解することはとても重要ですが、

さらにポイントや工夫を知っておくとより手間なく簡単に社内報を制作することができますよ。

 

今回は、社内報ご担当者さまからいただいたご質問事例をもとに、

社内報と著作権が上手に付き合うためのポイントやコツについてご紹介いたします。

Q 社内総会やイベントのレポートを行う場合、すべての人の肖像権に配慮することは難しいと思うのですが、いい方法はありますか?

A社員総会やイベントなど、大勢の方が参加するイベントでは、すべての人に社内報掲載の承諾を得るのが難しいケースもあると思います。

 そんな時は「社内報編集委員」や「社内報取材」などいったできるだけ目立つ腕章を付けてみてはいかがでしょうか? 腕章が無理なら名札でもかまいません。その際、「社内報掲載用の写真撮影にご協力いただけますでしょうか?」など声掛けを行うとより親切です。どういった目的でどんな人(部署・役職の方)が撮影しているのかを明確してあげましょう。

また、伝えたい内容に沿って撮影内容を絞るのも一つのポイント! 「何を伝えたいか」を具体化することで、撮る必要のない著作物を引き算することができます。

 

例えば、

■イベントの盛り上がりを伝えたい場合→個人が特定できない程度に引いて撮影する。

また、下の写真のようにモザイクをかけるのも1つの手。ある程度引きがあれば、それほど不自然にはなりません。

■特定の社員を撮影したいが、写り込みによる肖像権侵害を防ぎたい場合→絞りを調整したり、望遠レンズを使い後ろをボカす。

下の写真のように、背景がボケていて個人が特定できないようなら通行人などの肖像権を気にする必要はありません。

 

 

 

Q 写真撮影を拒否される方がいらっしゃいます。どういった対応をしたらいいですか?

A 肖像権は個人の権利ですので尊重されるべきです。決して強制してはいけません。

しかし、社員紹介などで一人だけ写真がなく、悪目立ちしてしてしまったら…。ご本人にとっても好ましい状況ではなくなってしまうと思います。こういった場合は社員ひとりの個人写真がなくても不自然でないように工夫してあげましょう。

 

 

■座談会での写真を拒否された場合→集合写真などはできるだけ避け(10人を超えるような集合写真では気にならない場合もありますが)、個人のインタビュー写真を中心に構成。

さらに、個人が特定できないような後ろ姿or横顔などで参加していただくことを提案してみてはいかがでしょうか?

インタビューカットと一言に言っても、上の写真のようにお顔があまり写らない構図もあります。

 

 

■新入社員紹介の個人写真を拒否された場合→社員証などに使用するような証明写真ではなく、社員個人から募集したプライベート写真を使って紹介する形式に切り替える。

社員のお顔とともに紹介する形式で、お一人だけ写真がないとどうしても目立ってしまいます。そんなときは証明写真のようなお顔写真に限定せず、募集を「プライベート写真」に広げてあげましょう。これならば掲載に抵抗がある方も、顔が分からないような横顔や引きの写真にするなどの選択肢ができます。さまざまなジャンルの写真が集まれば、一人だけお顔写真がなく自分で撮った風景写真になっていたとしてもさほど不自然ではありませんよね。

もちろん、思い切って全員の掲載をやめてしまうのもひとつの手ですが、こういった提案をすることでご納得いただける方も多いはずですよ。

 

 

いかがでしたでしょうか?

今回ご紹介した方法で、伝えるための写真掲載を断念せずに肖像権にも留意した上で安全に社内報を制作できますよ。大切なのは、掲載する方々への思いやりと配慮を忘れないことです。

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【執筆者】

ディレクター後藤

食欲の秋。食べ過ぎないよう日々心掛けています。